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民藝館展の搬入、その後

 去る11月6日。来月おこなわれる、日本民藝館展に応募するために、東京駒場の日本民藝館まで、直接作品を持って搬入をしてきました。
 そこで、思いがけずその審査員でもあり、師匠(と自分が勝手に思っている)の先生と遭遇。先生は他の用事で来られていたので、たいしたお話はできませんでした。
 しかし、毎年毎年出しているおかげで、搬入でお世話になった民藝館の職員の方々とも顔見知りとなってしまい、まあ今年もよろしくお願いします、と挨拶をしながら、またこの季節がやってきたのだなあとうれしい気持ちになったのでした。
 その後、民藝館で開催中のカンタと刺し子展をじっくりと見させてもらいました。
 カンタも刺子もどちらも刺子の技法を用いて作られた布です。カンタのほうは、インドのベンガル地方のもので、刺子は日本の東北のもの。同じ刺子の技法を用いたものではありますが、色や形はもちろん、何もかもが違う感じです。カンタのほうは、まるで子どもが書いたような、おおらかな絵が描かれてありますが、東北の刺子が描いているのは幾何学的な文様で、隅から隅までを計算して作られたような印象を受けます。どちらがいいと比べられることではありませんが、自分は、カンタのおおらかさが好きだと思いました。
 その帰りのことです。談合坂のサービスエリアで休憩をして車に乗ろうとしたところ、60過ぎの男性に声をかけられました。次の双葉のサービスエリアまで乗せてほしいということです。聞くと、旅先で置引きにあい、知り合いのいる静岡まで行きたいという事です。
 まあ珍しいこともあるものだ、と思い、一緒に行くことにしました。車を走らせながら、いろいろ話をすると、あちこち旅をしながら、絵を描いている人らしいです。大変若い女性にもてる方のようで、あちこちにこの人を慕っている女性がいるようでした。といっても変な関係ではなくて、そういう人たちから悩みを打ち明けられたりすることが多いらしく、また、この人のほうでも親身になってあげているのでしょう。まるで寅さんのような人だなあ、面白い人がいるものだ、と思ったので、早く静岡まで行けるように、甲府の駅まで送りました。無事に帰れたかなあ。ひょんなことから、いいひと時をすごさせてもらいました。
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はっとする

 美しいものを見て、はっとする。
 何かとても大事なことに気づかされる瞬間。
 それは硬くなった心の壁の隙間を抜けて、奥までとどく。
 きっと天からの大切なメッセージ。
 だから大切にしまっておく。
 いつかその謎が解けるその日まで。


 いつかの朝焼け。
朝焼け_convert_20120920225348

別れの歌三首

「勧酒 」干武陵

勧君金屈巵(君に勧む金屈の巵)   コノ盃ヲ受ケテクレ
満酌不須辞(満酌辞するを須いざれ) ドウゾナミナミツガセテオクレ
花発多風雨(花発いて風雨多し)    花ニ嵐ノ例エモアルゾ
人生足別離(人生別離足る)      サヨナラダケガ人生ダ
                        (井伏鱒二 訳)

青森挽歌 宮沢賢治 より

たしかにとし子はあのあけがたは
まだこの世かいのゆめのなかにゐて
落葉の風につみかさねられた
野はらをひとりあるきながら
ほかのひとのことのやうにつぶやいてゐたのだ
そしてそのままさびしい林のなかの
いっぴきの鳥になっただらうか
I'estudiantinaを風にききながら
水のながれる暗いはやしのなかを
かなしくうたって飛んで行ったらうか
やがてはそこに小さなプロペラのやうに
音をたてゝ飛んできたあたらしいともだちと
無心のとりのうたをうたひながら
たよりなくさまよって行ったらうか
   わたくしはどうしてもさう思はない
なぜ通信が許されないのか
許されている、そして私のうけとった通信は
母が夏のかん病のよるにゆめみたとおなじだ
どうしてわたくしはさうなのをさうと思はないのだらう
それらひとのせかいのゆめはうすれ
あかつきの薔薇いろをそらにかんじ
あたらしくさはやかな感官をかんじ
日光のなかのけむりのやうな羅〔うすもの〕をかんじ
かがやいてほのかにわらひながら
はなやかな雲やつめたいにほひのあひだを
交錯するひかりの棒を過ぎり
われらが上方とよぶその不可思議な方角へ
それらがそのそのやうであることにおどろきながら
大循環の風よりもさはやかにのぼって行った
わたくしはその跡をさへたづねることができる
そこに碧い寂かな湖水の面をのぞみ
あまりにもそのたひらかさとかがやきと
未知な全反射の方法と
さめざめとひかりゆすれる樹の列を
ただしくうつすことをあやしみ
やがてはそれがおのづから研かれた
天のる璃の地面と知ってこゝろわななき
紐になってながれるそらの樂音
また瓔珞やあやしいうすものをつけ
移らずしかもしづかにゆききする
巨きなすあしの生物たち
速いほのかな記憶のなかの花のかほり
それらのなかにしづかに立ったらうか
それともおれたちの聲を聴かないのち
暗紅色の深くもわるいがらん洞と
意識ある蛋白質の砕けるときにあげる聲
亞硫酸や笑気〔せうき〕のにほひ
これらをそこに見るならば
あいつはその中にまっ青になって立ち
立ってゐるともよろめいてゐるともわからず
頬に手をあててゆめそのもののやうに立ち
(わたくしがいまごろこんなものを感ずることが
いったいほんたうのことだらうか
わたくしといふものがこんなものをみることが
いったいありうることだらうか
そしてほんたうにみてゐるのだ)と
斯ういってひとりなげくかもしれない……
わたくしのこんなさびしい考は
みんなよるのためにでるのだ
夜があけて海岸へかかるなら
そして波がきらきら光るなら
なにもかもみんないいかもしれない
けれどもとし子の死んだことならば
いまわたくしがそれを夢でないと考へて
あたらしくぎくっとしなければならないほどの
あんまりひどいげんじつなのだ
感ずることのあまり新鮮にすぎるとき
それをがいねん化することは
きちがひにならないための
生物体の一つの自衛作用だけれども
いつでもまもってばかりゐてはいけない
ほんたうにあいつはここの感官をうしなったのち
あらたにどんなからだを得
どんな感官をかんじただらう
なんべんこれをかんがへたことか
むかしからの多數の實験から
具舎がさっきのやうに云ふのだ
二度とこれをくり返してはいけない
おもては軟玉〔なんぎょく〕と銀のモナド
半月の噴いた瓦斯でいっぱいだ
巻積雲〔けんせきうん〕のはらわたまで
月のあかりはしみわたり
それはあやしい螢光板〔けいくわうばん〕になって
いよいよあやしい苹果の匂を發散し
なめらかにつめたい窓硝子さへ越えてくる
青森だからといふのではなく
大てい月がこんなやうな暁ちかく
巻積雲にはいるとき……
     《おいおい、あの顔いろは少し青かったよ》
だまってゐろ
おれのいもうとの死顔が
まっ青だらうが黒からうが
きさまにどう斯う云はれるか
あいつはどこへ堕ちやうと
もう無上道に属してゐる
力にみちてそこを進むものは
どの空間にでも勇んでとひこんで行くのだ
ぢきもう東の鋼もひかる
ほんたうにけふの…きのふのひるまなら
おれたちはあの重い赤いポムプを…
     《もひとつきかせてあげやう
      ね じっさいね
      あのときの眼は白かったよ
      すぐ瞑りかねてゐたよ》
まだいってゐるのか
もうぢきよるはあけるのに
すべてあるがごとくにあり
かゞやくごとくにかがやくもの
おまへの武器やあらゆるものは
おまへにくらくおそろしく
まことはたのしくあかるいのだ
     《みんなむかしからのきやうだいなのだから
      けっしてひとりをいのってはいけない》
ああ わたくしはけっしてさうしませんでした
あいつがなくなってからあとのよるひる
わたくしはただの一どたりと
あいつだけがいいとこに行けばいいと
さういのりはしなかったとおもひます

A CASE OF YOU JONI MITCHEL

Just before our love got lost you said,
"I am as constant as a northern star."
And I said,"Constantly in the darkness
Where is that at?
If you want me I'll in the bar."
On the back of a cartoon coaster
In the blue T.V.screen light
I drew a map of Canada
Oh Canada
With your face sketched on it twice
Oh,you are in my blood like holy wine
You taste so bitter and so sweet
Oh I could drink a case of you,daring
And I would still be on my feet.

Oh I am a lonely painter
I live in the box of the paints
I'm frightened by the devil
And I'm drawn to those ones that ain't afraid
I remembered that time you told me,you said,
"Love is touching souls"
Well surely touched mine
'Cause part of you pours out of me
In these lines from time to time
Oh, you're in my blood like holy wine
You taste so bitter and so sweet
Oh I could drink a case of you,daring
And I would still be on my feet
I would still be on my feet

I met a woman
She had a mouth like yours
She knew your life
She knew your devils and your deeds
And she said,"Go to him,stay with him if you can
But be prepared to bleed."
But you are in my blood
You're my holy wine
You taste so bitter and so sweet
Oh,I could drink a case of you,daring
And I would still be on my feet
I would still be on my feet.


祝!浜岡原発停止要請

 もう皆さん、ご存知のことと思いますが、菅首相が、浜岡原発の停止要請を中部電力に対して行いました。
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201105060230.html
 浜岡原発は、東海地震の想定震源域のど真ん中という、ちょっと普通の思考ではありえないような場所に立っています。
 この判断については、人気取りとか、政権の延命策といった批判もあるようです。
http://www.amakiblog.com/archives/2011/05/07/#001908
http://www.amakiblog.com/archives/2011/05/08/#001909
 このような批判も、たぶん当たっているような気もします。というより、判断材料が乏しいので、それを是とも非とも言えません。
 ただ、このような危険な施設を停止しようと、一国の首相が言ったことは、素直に喜びたいと思います。
 だって、今回の地震が、東海地震や東南海地震を誘発しないとも限らない。今止めておけば、このまま稼動を続けているよりもずっとリスクは減るはずです。
 
 このことが、脱原発への一歩を踏み出した、とまで考えるのは、ちょっとお人好し過ぎるのかもしれません。原発の必要ない社会にしたいと、私たちが本当に願うのならば、そのために必要なことを一つ一つ行って、声を上げ続ける必要があるのでしょう。
 ただ政治の風向きの気まぐれに終わらせないように、私たちも試されています。 

秋色

 立冬を過ぎ、暦の上ではもう冬ですが、山は紅葉の最盛期です。
秋の山_convert_20101108223539
 といっても、このあたりの山は、赤い色が少なく、どちらかというと黄葉です。
カラマツの黄葉_convert_20101108223723
 これはカラマツ。見事な黄色です。
綾錦_convert_20101108223335
 川筋には、たまにもみじの燃えるような赤。この黄色から赤へのグラデーションが好きです。
御座山_convert_20101108223439
 真中の、人の顔のような山が、御座山(おぐらさん)。こちらも黄色く衣替えをしています。



プロフィール

ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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