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辰巳芳子さんのこと

 辰巳芳子さんは、日本を代表する料理研究家で、これまでたくさんの料理本をかかれています。
 最近は、いのちのスープなどで、ご存知の方も多いでしょう。
 この人の料理に対する姿勢で、一貫していることは、料理は、命を育むものだ、ということがあると思います。
 この人の本を読むと、料理のレシピよりも、素材の取り扱い方のほうをやかましく(笑)言っておられるところが目に付きます。
 それは、結果的には、味を左右する重要なことでありますが、一番面倒なことでもあるので、とっつきにくさを感じてしまう方もいるかと思います。
 たとえば、ごまの炒り方をみてみると、乾かすような火加減で、30分以上炒る、とあります。そんなこと、毎日やってられるか、と誰でも思うでしょう。
 でも、たぶん、辰巳さんの言いたいことは、このようなことを毎日やらなくてはならない、ということではなくて、ひとつの手本を残しておきたい、ということなのだと思います。
 いのちのスープとして有名な、玄米のスープの項では、死を目の前にした病人が、これを飲んで幸せそうな笑顔を見せてくれた、というようなエピソードがあります。
 たぶん、そういう人を相手にするときに、このような手間が必要になってくるのです。もちろん、何も経験のない人が、辰巳さんの本を読んだだけで、上手に作れることがあるわけではありませんが、その筋道があるのとないのとでは大きな差があります。

 ところで、辰巳さんは、料理に関するエッセイもたくさん書かれていて、私はそれがとても好きです。何しろ、読んでいると、口の中につばが沸いてくるのです。
 特に好きなのが、ガスパチョについて書かれたものです。
 辰巳さんが昔、ガスパチョとはどんな料理なのかを知りたくて、何人かのスペイン人にあたってみると、聞く人によってみんな答えが違って、かえって混乱してしまった。しかし、あるとき、セビリア風のレシピを知って、長年の疑問が氷解したそうです。
 ここからが面白い。辰巳さんは、ある料理の事を知りたければ、その民族が生き抜いてきた道のりをたどるべきだ、といいます。
 ここまではわかります。わからなくても、まあ、感心して読めます。
 続いて、これは持論であるが、ガスパチョは、その道程に咲くゼラニウムの花。
 !?。
 ?????・・・。
 わかりますか、これ。
 ゼラニウムってどんな花だったっけ、なんていう自分にはわかるわけがありませんが、たとえ知っていてもこの持論を理解することは出来ないような気がします。そんなことを持論にされても困ります。(笑)
 ただいえることは、辰巳さんが、スペイン人がそこの風土とどのように折り合って生き抜いてきたのかを探っているとき、ゼラニウムの花を見たということです。ガスパチョが、ゼラニウムの花に見えたのです。
 すごい、何がなんだかぜんぜんわからないけどすごいと思います。
 料理好きの方、この公案をぜひ悟って、私に教えてください。(笑)
あなたのために―いのちを支えるスープあなたのために―いのちを支えるスープ
(2002/08)
辰巳 芳子

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ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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