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泣き虫ハァちゃん

 河合隼雄さんの幼少のころの自伝であり、絶筆の「泣き虫ハァちゃん」をご紹介します。
 河合隼雄さんといえば、ユング派の心理学者の草分けであり、文化庁の長官にまでなった人なので、ご存知の方は多いと思います。
 昔から、この人の本はよく読んでいて、その温かみというか、包容力に、尊敬の念を抱いてきました。
 この人の文章は、学者の文章でありながら、平明で難しいところはひとつもありません。それでいながら、言っていることはとても深い。この文章の平明さと深さを併せ持つところでは、他には、法隆寺の棟梁であった、西岡常一さんくらいしか思い当たる人はありません。(まったくタイプは違いますが)
 この人は、人間というものが、善も悪もなす存在であることを熟知していて、だからこそ、なされてしまった罪や悪について簡単に判断することをしません。そうやって、判断を保留しながら、その人の心の奥底まで一緒に降りていく。そこで、心がもつれてしまったところを探り当て、その本人と一緒にそれをほぐしていくのです。
 というと簡単なことのように思えますが、これはとんでもなく難しい作業です。誰でも負の面は持っていますが、それを真正面から受け止めることは、とてつもないエネルギーが必要です。時には、いやな気持ちになりながら、それでも嫌いになりきることをせずにその人の苦しみに寄り添っていく。たとえ、その人がよくなる方法を知っていたとしても、それは安易に口に出すことはできません。それができない、あるいは見つけることができないことも、その人の人格であるからです。そうやって、なるべく何もせずに、ただ寄り添っていくことの無力さ。無力だけれども、一緒にいなければならない苦しさ。
 
 さて、「泣き虫ハァちゃん」ですが、これを読もうと思ったきっかけは、作家の小川洋子さんがやっている、ラジオの書評番組を聴いたことでした。小川さんは、河合さんとお仕事をされたことがあって、たぶん、河合さんのことをとても尊敬されていたのでしょう。そういう気持ちがにじみ出ていました。自分も、河合さんのことがとても好きだったので、久しぶりに読んでみたいと思ったのです。
 読んでみて驚いたのは、家族の思いやりの細やかさです。
 例えば、小学生であったハァちゃんが作文を書くくだりがあります。担任の先生に見たとおり、感じたとおり書くのがいい作文だ、といわれてハァちゃんは悩みます。そして、自分でも違和感を感じつつ、ちょっといい子ぶったものを書いて提出してしまうのですが、なぜかそこのところを、担任の先生はみんなの前でほめてしまう。そのためにハァちゃんはもっと悩んでしまいます。
 そしてさらに悪いことに、お父さんまでもがそこのところをほめて、家族みんなの前で読み聞かせます。ハァちゃんの悩みはますます深まるのですが、兄弟たちがきちんとわかってくれていて、次の朝、家の掃除を一緒にするときに、「戦地におられる博兄さんのことを思い、頑張って雑巾がけをしよう!」とそれとなくハァちゃんの作文のいい子ぶったところを引用して、からかうのです。
 それを聞いて、ハァちゃんは、自分の作文が「つくりもの」だったこと、その「つくりもの」の作文をみんなの前でよまれたことの恥ずかしさを兄さんたちがわかってくれたこと、がわかって胸が熱くなるのです。
 ああ、すごいな。この思いやり。その表現の仕方。粋だなあ。
泣き虫ハァちゃん (新潮文庫)泣き虫ハァちゃん (新潮文庫)
(2010/05/28)
河合 隼雄

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コクリコ坂から

 数年ぶりに映画館で映画を見ました。
 話題の「コクリコ坂から」
 いい映画でした・・・。なんだか懐かしくて、甘酸っぱくて。
 それに出てくる人たち、みんないい人ばかりで。

 これに、カルチェラタンという、主人公たちが通っている高校のクラブハウスの建物がでてくるのだけど、明治時代に建てられた洋館で、ここをそれぞれのクラブのメンバーが、それぞれの場所を我が物顔で占拠して、自分たちの活動を夢中になってやってる。この熱気と、少なくとも10年は掃除をしていないと思われる汚さ!
 この映画の監督である、宮崎吾朗氏は、実は自分の通っていた大学の学部の先輩であるらしい。自分は、このカルチェラタンを見たときに、その学部の寮のことを思い出したのだけれども、宮崎氏ももしかしたら、それを思い出しながら描いたのだろうか、なんて考えてしまった。
 その学部の寮は、このカルチェラタンほどおもむきのある建物ではなかったけれども、その汚さと、学生の放つ熱気は似ていた。それに、うちの寮と似た形態を持つ学生寮では、数年前に取り壊されてしまった、東大の駒場寮があった。
 この建物は、2,3度訪れたことがあるけれども、階段の手すりが昔の洋館風だったことを覚えてる。そのおもむきといい、汚さといい、もしかするとこのカルチェラタンは、東大の駒場寮をモデルにしたのかもしれない。
 自分が大学に行ってたころよりも、もっと学生が何かを信じていたころのことが描かれていました。

TS3R0060_convert_20110811013243.jpg

 今日の夕方に見かけた、雄大な雲!
 思わず見とれてしまいました。

 

なかなか書けない

 ブログがなかなか更新できません。
 いろんなことが詰まってきて、言葉が生まれてこない。
 感じてはいるはずなのに、そこまであがってこない。
 夢中になって仕事をしてるから、大丈夫とは思う。
 でも、日々の感動を言葉にする余裕が今はない。
夏祭り1
 小海の夏祭り。ふるさと祇園祭。
花火1
 花火。夏はやっぱり花火!間近で見る花火は迫力満点です。

 

古い家具の修理

 古い行灯の修理をしました。
行灯(修理前)1
 ずいぶん昔のもののようで、ろうそくか、油の灯明を使い、枠に和紙を張っていたようです。
 これを電球で使えるようにして、ガラス張りにしました。
行灯4_convert_20110802013354
 なるべく昔のものを残すようにとのことでしたが、ガラス張りをするに当たって、枠を太くする必要があったので、土台と、上のとっての部分以外は作り直しました。
行灯5_convert_20110802013445
 後ろ側です。
 仕上げは、弁柄で下塗りをしてから拭き漆。なかなか大変でしたが、面白い仕事でした。

プロフィール

ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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