FC2ブログ

悩む…

 先日、小諸のとあるイベントに参加した時のこと。
 小さな子どもたちを連れたお母さんから、子どものための本棚がほしいと相談を受けた。
 そこまではよいのだけれども、できれば、外国産の木を使いたいというのだ。
 国内産の材は、放射能に汚染されている可能性があるからと。

 その話を聞いて、戸惑った。
 今まで自分は、国内産の木を使うことがよいことなのだと信じてやってきた。
 家具としては普通、使われることのないカラマツを積極的に取り入れることもしてきた。
 自分のような小さな小さな規模で行っているものづくりでは、ほとんど大勢に影響がないことはわかっているけれども、そうすることが、地元の林業を生かし、地域を生かすことにつながるのだと信じてきた。
 しかし、それが放射能に汚染されているから使いたくないといわれてしまったら、元も子もない。
 
 でもそれでは、日本では、木材を生産することはあきらめて、輸入材に全面的に頼ればいいという話にも違和感がある。確かに今現実にそのようになってきてはいるけど、ここで無条件降伏をしたくはない。
 だって、山は木だけを生産しているわけではない。人が山に入って、その整備をするのは、木材を生産することが大きな目的のひとつではあるけれども、そのことを通じて、災害に強く、きれいな水が流れる、豊かな山を作ってきたからだ。
 この数十年の歴史を見ると、必ずしもそうはなっていないけれども、本来は、そういうものであったはずだし、これからもそれを目指していくべきだろう。
 ここで、山を整備することを放棄してしまっては、その技術も知恵も完全に途絶える。それは一度途絶えてしまっては、再び取り戻すのに、いったい何世代必要なのかわからないくらいの含蓄があるのだ。そしてその技術や知恵の裏側には、自然に対する畏敬の念があって、これこそ日本人の宗教心の大元といってもいいものだ。これも同時に失われることとなる。
 こんなことが許されるはずがないと思う。
 ただ、誤解をしてほしくないのだけれども、だからといって、放射能に汚染された木材を家具に使っていいといっているわけではない。子どもの身近なところにそういうものを置きたくないという気持ちは、まったく正しい。
 悩みます。自分は、自分の作ったものをなめようと、燃やそうと何の心配もいらない、安心で安全なものを目指してきたつもりなのに、なぜこんなところで悩まなければならないのか。
 恨みます。原発。早くなくなってください。 
スポンサーサイト



プロフィール

ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

FC2カウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR