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2013年 総括

 今年のまとめ的なことを書いてみます。
 色々動き回った一年でした。展示会を企画したり、あちこちのイベントに参加したり。
 木工では、金具を手がけることに挑戦し、ここ数年の課題であった椅子づくりで、ひとつの結果が出たように思います。
 その中でも印象に深く残っているのが、やはり10月におこなったさくデ。のイベントでしょうか。
 イベント作りに関わって、色々振り回されながら、たくさんの人に来てもらえたことももちろん大きいのですが、会場の川村家住宅という古民家のもつ、場所の魅力の奥深さが忘れられません。
 自分は元からそういう場所が好きなのですが、来た人がみな、あの場所でとてもくつろいでいた姿が目に焼きついています。
 住宅環境が変わってしまって、和室のない家もあるくらいなのに、やはり日本人は畳や縁側が好きなのでしょう。伝統の持つ力がどんなものか、目の当たりにさせられました。
 このことを仕事に反映させていきたい。こんな、長い時間の感じられる仕事をしたいです。それは木工を始めたころから思っていたことですが、今の暮らしに果たして合うのだろうか、という迷いもありました。それを完全に断ち切ることは難しいけれど、このさくデ。で感じたことは、民藝館で見た、田島さんの織や、大城さんの芭蕉布にも通じていて、自然に沿った、長い時間に現れて残った形というものはやはり美しい。
 今の暮らしに流されず、過去をよく学んで、こうありたいと思う今を作っていきたいです。
 今年一年、読んでくださった方、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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もう一度、民藝館展でみた芭蕉布について

 前回、田島隆夫さんの織など、という題名で、などとつけたにもかかわらず、そのほかのことについては書かずに終わってしまいました。きょうはその、「など」のところで書こうとしたことについて。
 今年の民藝館展の奨励賞を受賞した、大城あやさんの芭蕉布のことです。
IMG_0193_convert_20131206225614.jpg
 これは、審査員の先生が、一生に一度の仕事だと絶賛していたのが印象に残っていたので、よく見てみたものです。
 でも所詮布に関しては素人なもので、薄くて軽やかで、生成りの自然な色のむらが美しいといった以上の感想は得られませんでした。
 しかしその後、知り合いの織の作家の方がfacbook上で解説してくれたことによると、とんでもない意欲作だということがわかったので、書いておくことにしました。
 通常、布を織るための糸は、繊維を何本かまとめて撚りを掛けたものを使用しますが、この布には撚りを掛けていません。芭蕉布の常識では、無撚りの糸では織ることができないといわれていたそうです。
 それだけならば、単に技術上の挑戦でしかないのですが、(それだけでもすごいことではありますが)大城さんがそれをなぜ行おうとしたのか、そこには深い理由があったのです。
 確かに今の芭蕉布は撚りを掛けたものを使うのが当たり前となっているのですが、古いものを調査すると、かつては無撚りの糸を使うほうが当たり前だったらしいのです。琉球が日本の文化に影響されることで、糸に撚りを掛けるようになっていったということです。無撚りの糸で織った布と撚りをかけた糸で織った布で、作られる服がどのように変わっていくのか、ちょっと自分にはわかりかねるのですが、この布は、もともとの琉球の文化がどんなものであったのかを確認するための仕事だといえるでしょう。
 時代が下るにつれて、各地が独自に育んできた文化は他の文化とふれあい、影響しあってまた新しい文化を生み出して行きます。それは悪いことではないのですが、その土地にもともとあったものは、その土地の風土に最も調和したものであり、他の文化からの影響によって、それが薄れてしまうこともよくあることだと思います。特に、沖縄と日本のように、政治的に平等でない関係の場合は悪しき影響となってしまったこともたくさんあったことでしょう。
 糸を撚るか、撚らないか、ささいなことといってしまえばそれまでですが、工芸はこんな些細なことで、作るための工程も、出来上がったものも大きく変わってしまいます。そしてそれが服のデザインや着こごちまで影響するとしたら、沖縄の人の精神性にまで影響を及ぼしているかもしれない。
 だからもともとの芭蕉布がどんなものだったのか、それを復元することは、琉球の文化や風土を確かめるためのひとつの大きな手がかりで、そういった意味でこれはとても大きな仕事なのです。
 ということを知り合いから教わったことから思いました(笑)

田島隆夫さんの織物、など

 日本民藝館展で、同時に展示されている、田島隆夫さんの織物。
 織については門外漢でありますので、正直に言うと、何がそんなにすごいのかわからないのですが、この人の織物は、あの白洲正子さんの文章にもたびたび登場して、絶賛されています。
 私も、白洲さんの文章を読んだことが、この人のことを知るきっかけでした。それ以来、ずっと実物を見たいと思っていたのですが、やっとこの展示を見ることでかないました。
 白洲さんによると、田島さんの織は、地機、またはいざり機という、一般的な高機よりも原始的な機を用いて織っています。普通の高機では、縦糸の張具合はあらかじめ決められてしまうのに対し、地機では自分の腰で縦糸を引っ張るので、張具合を自在に変えることができます。それゆえ、糸をいたわりながら織ることができるのだそうです。
 また、田島さんが使っていた糸は、養蚕農家が、くず繭で自家用の布を織るためにつむいだ糸で、太さが不均一で、使うにはとても大変なものだったと想像できます。ただ、このような糸は、つむいだ糸をそのまま枷にかけることはしていないので、糸が自由に呼吸することができるのだそうです。糸が生きている、ということでしょうか。
 このような糸をいたわりながら織った田島さんの布は、とても着心地がいいのだそうで、白洲さんは、織りあがった田島さんの布を手放さなかったという話も聞きました。
 残念ながら、今度の展示では、当たり前ですが手に触れることはできず、よくわかりませんでしたが、こんな風にものづくりをしたいものです。
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こういうものづくりがしたい

 どんなものづくりをしたいのか、を問われると、真っ先にあげたい人がこの方。
 葉山で塗師をされている、大先輩の伏見さん。竹に漆を施したカトラリーは有名です。
 もちろんそればかりではなく、お椀も素晴らしいです。
 you tubeなどに、製作工程をたくさん公開されているので、ぜひ見ていただきたいですが、この人の箆さばき、刷毛さばき、思わず見とれてしまいます。 
 そのうち、二つほどご紹介。


日本民藝館展 講評会 2013

 毎年の締めくくりであります、日本民藝館展が、8日から始まります。
 それに先立ちまして、講評会が5日におこなわれましたので、行ってきました。
 今年の結果は、4点出して、準入選が2点です。こんなもの、でありましょうか。
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 こちらは、自分の作品、ではありません。入選作品で、上手だなあ、いいなあと思った作品です。ガラス越しなのであまりうまく映ってませんが、技術的にとても上手で、丁寧に作られています。
 民藝館展は他の公募展とちょっと選ぶ基準が違うと思います。同じ作者のもので、やはり技術水準は高いのに、準入選のものや、落選のものもあります。デザインがあまり目に付くような物は好まれないようです。良かれと思った工夫が、全体のバランスを崩していたり、かえって使いづらくしていたりすることはあるものです。そういうところは、よく見られていると思います。
 どこにも突出したものが無く、使ってみるとさまざまな工夫をされているところがわかる、そんなものが理想でしょうか。そういうところを見てくれるので、毎年出すのです。

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 こちらは、奨励賞を取られた、秋田の樺細工の茶筒。いいなあ。これほしいですね。触って、ふたの開け閉めをしたかったのですが、さすがに遠慮しました。

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 こちらは箕ですね。網目がしっかりとしていて、丁寧なつくりです。もともと農作業に使うものですが、こんなものも出品されるのが館展のよいところ。これこそが、民藝。暮らしに根ざしたよいものって、こういうものかと思います。

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 こちらは、またたび(だったと思います)の手提げ。これも網目がとてもきれいで、丈夫そうです。ひとつほしいんですけど、なかなか・・・。民藝館展でいつもいいなあと思うのは、こういう竹や、木の皮で編んだものです。素材の良さがストレートに出てきます。自然の素材を生かした技です。

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 こちらも奨励賞の芭蕉布です。この布は、普通の芭蕉布とは違って、芭蕉の繊維一本一本をそのまま糸に使ったもの。だから非常に薄くて軽やかです。織もとても丁寧で、門外漢の私もいいものと思いました。

 やっぱり民藝館展は面白いです。お近くの方は是非一度、見に行かれてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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