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ネパールで見た、石垣のこと

 もう、ずいぶん昔のことになるが、ネパールに行ったことがある。
 ここで見たものは、一つ一つがとても印象に残っていて、毎日が刺激的だった。
 何もしなくても、道を歩いているだけで楽しい。道端では、網をつくろっている漁師、片手持ちの小さなちょうなでほぞを切っている大工に出会った。奥地に行けば、たくさんの羊を追いながら移動する羊飼い、ロバやラバの隊商、どれも日本ではとっくに滅びてしまった暮らしが生きていた。そういう暮らしの中で、人たちは輝いて見えた。
 そんななかで、石垣を作っているところを何度も見かけた。大きなハンマーで、石を割りながら、ひとつひとつその石を積み上げていくのだ。そういうやり方なので、当然一つ一つの石の大きさも、形もばらばらだ。そして、出来上がった石垣もまっすぐにはならず、微妙に曲がっていたり、波を打っていたりする。
 それを見つめているうちに、これはきっと、本当は、まっすぐ作りたかったんだろうな、という考えが浮かんだ。そうしたいのだけれども、石のブロックの形や大きさをそろえることができないことや、地面の凹凸など、さまざまなことが邪魔をする。その中でできる限りまっすぐをめざしたのがこのような形になったのかもしれないと思ったのだ。
 だとすると、それは人間の、こうしたい、という欲求と、自然のランダムさのせめぎあいの中に生まれた形で、そうやって生まれた揺らぎのある形は、なんとも言えず、美しかった。
 手仕事の美しさは、こういうことではないかと思う。忘れられない風景だ。
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プロフィール

ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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