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天然の水性着色料の自作

 たまには、木工の技術的なお話。
 今は、塗装にしても、接着剤にしても、化学的に合成されたものがたくさん出回っていて、そちらのほうが、昔からある天然のものよりも、使い勝手が非常によかったりする。
 使い勝手というのは、例えば塗料の伸びのよさとか、乾きのスピードとか、むらの出にくさとか、そういったことだ。製品を開発するに当たって、そういったことを念頭に作っていくのだから、当然といえば当然だ。
 でも、それを何の疑問もなく使うことに何か抵抗があって、できることなら天然のものや、天然に近いものを使いたいと思っている。それは、環境のことや、健康のことがあってそう思うこともあるけれども、自分が、木工という仕事を、自然を相手にする仕事だと思っていて、木工の技術とは、自然と上手に付き合う技術だとどこかで固く信じているからだと思う。
 今回ご紹介するのは、天然の顔料を用いた、水性着色料の作り方です。

 用意するものは、弁柄、松煙、アルコール、にかわ水
 松煙_convert_20121109231051
 こちらが松煙にアルコールをほんの少し混ぜて練ったもの。松煙は、水で混ぜようとすると細かい粒子が散ってしまってうまく混ざりません。ここでは変性アルコールを使いましたが、日本酒がよいという話も聞きます。

弁柄_convert_20121109231301
 これに弁柄を加えて練ります。

弁柄と松煙を混ぜたところ_convert_20121109231424
 これが松煙と弁柄を練り合わせたもの。よく練らないと、だまができてしまいます。だまがあるままだと、場所によって、赤や黒の筋ができてしまうので注意。

にかわ水_convert_20121109230842
 こちらがにかわ水。水に対して、にかわが約5%。このあたりは研究の余地がありそうです。一晩にかわを水に漬けてふやかしてから、湯煎にかけて溶かします。60度以上にならないように注意。

少しずつ混ぜる_convert_20121109231003
 先ほど練った弁柄と松煙に少しずつにかわ水を混ぜます。弁柄も松煙も、顔料ですから水には溶けません。だから水だけですと、すぐに下に沈殿してしまいます。また、弁柄は鉄ですから重く、松煙は炭素で比較的軽いので、沈殿する際に分離してしまうのです。にかわ水を使うことで、比較的長い間、溶液の中に均一に散らばってくれるようです。ただ、長い間静置しておくと、やはり沈殿してしまいますので注意。それから、乾いた後の色止めにもなると思われます。
 これは日本画の絵の具を作る技法です。

水性着色料出来上がり_convert_20121109231201
 好みの濃さにして出来上がり。
 使うときは、刷毛で木材に塗って、しばらくしてからウェスでふき取ります。その上で中塗り、仕上げ塗りをおこなうとよいでしょう。
 先日の、デスクの修理には、これで下塗りをしました。
 まだまだ研究の余地はありますが、やってみたい方のヒントになればうれしいです。もっと改善点などを教えていただけるとありがたく思います。



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ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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