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関口鉄夫先生を悼む

 関口鉄夫先生が先月の31日に亡くなられたそうです。
 と言ってもご存じない方が多いと思われますが、ごみ問題の専門家です。
 各地に廃棄物の処理施設がありますが、その建設計画が持ち上がるたびに、ほぼ必ずと言っていいほど地元住民の反対運動が起きます。関口先生は、常に住民側に立って一緒に反対運動をすることに一生を捧げてこられた方です。
 原発や、基地のような大きなものではないので、それほどマスコミに大きく取り上げられるようなことも少なく、したがって世間でそれほど有名な方ではないかもしれませんが、廃棄物の処理場はそれこそ全国津々浦々にあり、そこの地元の人たちから頼りにされてきた方です。
 考えてもみてください。穏やかに暮らしてきた自分の土地に突然そのような施設の建設計画が持ち上がる。しかも住民に知らされるのはたいてい計画が相当に進んでからです。環境や健康に対する影響が心配ですが、そのような知識もなく、法律の知識もない住民が、何を聞けばいいのかもわからず、行政や処理場の運営会社に聞いても大丈夫だという答えくらいしか返ってこない。そんな人たちが、駆け込み寺のように頼るのが関口先生でした。
 自分も本当に少しですが、その反対運動にかかわったことがあり、その本質は知っているつもりです。ごみは人が暮らしている限り必ず出るものではあります。だからどこかに処理場は作らなければいけないのだ。そのようにいわれると、地元の住民は自分の地元に処理場ができることを反対するのはただのわがままなのかな、と思ってしまいます。確かに処理場は現代社会の必要悪的な存在ではありますが、そうであるならば、その周辺の環境や、地元住民の健康に対するリスクを最低限に抑える努力が必要です。ところがたいていの処理場の建設計画にはそのような配慮はなされていません。原発などのほかのいわゆる迷惑施設でもそうですが、こういったものは人口が少なくて、広い土地が手に入りやすいという、建設上のコストを優先して選ばれるものなのです。
 人口が少なければ補償の金額は少なくて済みますし、説得の手間も少なくて済みます。それにそういう場所はたいてい仕事が少ないところですから、雇用先が増えるメリットをアピールすれば、説得もしやすいのです。また、そういう場所ならば、遊んでいる土地(経済的な価値を生み出さないという意味です。つまり山林や遊休農地ですね)も多いので、農林業が衰退してしまっている現在では、重荷となっているそのような土地を買うこともしやすいのです。だから、このような施設は田舎に多く作られます。
 そのような観点から土地が選ばれて、そのあとから環境アセスメントがなされます。ですから、その基準は建設ありきの甘いものとなります。福島の原発事故の後に放射能の基準が引き上げられたこととまったく同じことが起きているのです。自分も実際に一か所、建設計画のあった土地(ここは地元の反対によって幸いにも撤回された)を見に行ったことがありますが、沢の真ん中にありました(つまり有害物質が沢の水とともに下流に広がってしまう、最も不適切な場所)。
 関口先生は、その専門の知識を持って、そのいい加減さを一つ一つ暴いていきました。それは行政や会社側を糾弾するだけではなくて、むしろ住民側が反対運動を行うことに対するやましい気持ちをなくすことが大きかったと思います。反対運動をするということは、お上にたてつくということではなくて、よりよい地域を残していくために必要なことなのだと、住民自身が気付くことを助けてくれていたように思うのです。
 専門家だからと言って決して威張ることはなく、本当に弱きを助け強きをくじく、無知で弱い住民にとってはスーパーマンのような方でした。自分がお会いしたのはほんの数回でしたが、先生の生き方は、自分の心に強烈に刻み込まれています。お会いできてよかったです。亡くなってしまって、さみしいです。
 
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ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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