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あずきのこと

 あずきが逝ってしまって数日がたちました。その間に、何人かから、お悔やみの言葉をいただいたり、お墓参りに来ていただいたりしました。
 あずきは、いろんな人から、とても愛されていたのだということを実感しました。本当にありがとうございます。あずきもきっと喜んでいると思います。

 あずきは捨て犬でした。だから、本当の年齢も、名前も、生まれも育ちもわかりません。
 拾ったのは私ではありません。知り合いの農業を営んでいる方がもう8年か9年前に拾ったのです。
 あずき、という名前をつけたのもその方です。
 その家は、集落から離れた一軒家でしたので、その当時は、放し飼いにされていました。あずきは、前の飼い主を忘れられなかったのか、それとも単に放浪癖があったのか、しょっちゅう、失踪していたそうです。
 そうした中で、あずきは子どもを3匹生みます。1匹は早くに死んでしまいましたが、1匹は、麦星農園さんの飼っているアルク、もう一匹は、そこの農家にいるみぶなという犬です。
 あずきは、あまり母性がなかったのか、それとも元の飼い主を探すことに心を奪われていたのか、子育てをあまりしませんでした。
 また、そこの農家には、もう一匹、コリー犬を飼っていました。そこのご主人は、その子を溺愛していました。あずきはその子から、一方的に嫌われていて、ご飯もろくに食べられない状態でした。
 そんなことから、あずきはどこかおびえたような、人の目をうかがって媚を売るような顔をした犬だったと思います。
 また、子育てを放棄してしまったことや、溺愛されていたコリー犬から嫌われていたこともあって、人間からの評価も低いものでした。
 そういう自分も、あずきのことをかわいいとは思えなかった一人です。しかし、そのコリー犬との折り合いがあまりにも悪かったので、半ば押し付けられるような形で、私が引き取ることになったのでした。

 一緒に暮らすようになってからも、私のあずきに対する評価は、それほど変わりませんでした。嫌い、ということではありませんが、かわいいとも思いませんでした。
 だから、あずきに対しては、こちらから特別な何かをしたことはありません。たまになでてあげることと、車が好きだったことから、出かけるときは、一緒に車に乗せてあげたことくらいです。あとは基本的にほったらかし。あえて言えば、以前に住んでいた家は、鎖に繋がなくても文句をいわれないような環境だったので、放し飼いにしていたことがよかったことかもしれません。
 毎日見ていると、かえってその変化には気づきにくいものですが、私のあずきに対する印象が少しずつ変わっていったのは、周りの人の声のおかげが大きいと思います。
 2年もすると、以前のあずきを知っている人から、あずきが変わった、といわれるようになりました。そのうちに、見知らぬ人から、かわいい犬ですね、とほめられるようにもなり、あずきちゃんのお父さんとして、私のことを覚えてくれるような知り合い方をすることが増えていきました。
 小さいなりで、めったに吠えることがなく、こちらからよほどの乱暴をしない限りは噛み付くこともないので、子どもたちのいい遊び相手でもありました。
 中でも印象深いのは、犬嫌いだった女の子が、ある日、あずきに会いたいといって、わざわざ家族でうちまでやってきたことです。その子は最後には、あずきを抱っこできるようにまでなりました。お墓参りにも来てくれたね。
子どもとあずき1
 また、以前にも書いたように、今年の駒ヶ根のクラフトフェアでは、見知らぬ人が大勢、あずきの周りに集まって、じっとたたずんでいるという、不思議な光景を見かけたりもしました。
 いつも、いるのかいないのかわからないような静かな犬でした。捨てられたり、ほかの犬にいじめられるような、つらいこともあって、心に傷を負っていたのかもしれないけれども、最後には、こんな、天使のようになりました。つらかった思い出も、洗い流されて、向こうの世界に行ったと信じたい。
 あずきは、人付き合いの得意でない私を、たくさんの人と繋げてくれました。
 きっと、あずきとの思い出も、これからまだまだ育っていくと思うし、そのように生きていきたいと思います。
 あずきさん、今までありがとう。
 あずきをかわいがってくれた皆さんにも感謝します。ありがとうございました。
 

 
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No title

偶然にたどり着いた日記。
あずきちゃんはアルクのお母さんなんですね。
びっくりしました。

といっても私はアルクに会ったことは
ありません。
日記の中の写真のアルクしか。

あずきちゃんは来るべくしてやってきたんじゃないか
と思います。

私もあずきちゃんのような境遇の犬を
縁あって育てていました。

もう死んでしまったけど
今でも時々、ふいに心の中から飛び出してきて
いろんなことを感じさせてくれています。

Re: No title

itoさん
コメントありがとうございます。
itoさんも、あずきのような境遇の犬を育てられたのですね。
あずきは、旅人のように私のところにやってきて、また去っていきました。
そんな気がしてなりません。
でも、まだうちに帰るときなど、あずきのご飯の心配をしている自分がいます。
元々が静かな犬でしたので、今でもいるような気がしています。
アルクは、あずきとは正反対で、騒々しい犬です。(笑)
プロフィール

ルーシェンカ

Author:ルーシェンカ
長野県の小海町で家具を製作しています。
家具のこと、木のこと、森のこと、その他の身の回りのことを紹介していきたいと思います。
メールアドレス atsushitakahashi@nexyzbb.ne.jp

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